当記事はこれから家電アドバイザーを目指してみたい、興味がある、といった方向けにオススメです。資格を受けたけど落ちちゃった、という方もご覧ください。
家電量販店や、町の電気屋さんに行くと家電アドバイザーの資格を持った店員さんを見かけることがあります。資格と聞くと、なんだか難しそうで、持ってるのってすごいのかなって思いませんか?
家電製品の基礎知識、応用知識などを最低限習得していないと資格取得はできないため、一定レベルの知識とスキルはあると思って良いです。
もし、今後家電製品に関わる仕事を行うつもりだったり、既に従事者であるならば取得を目指しても良いと思います。
今回は取得をするまでの流れと、難易度、合格率、勉強方法をまとめていきます。
- 家電業界にお勤めの方(または転職などで、お勤め予定の方)
- 家電製品に詳しくなりたいと思っている
- 資格収集に興味がある
- 家電業界歴14年以上の現役家電業関係者
- 総合家電アドバイザー資格者
- 家電製品年間1億円以上の販売経験有
- 皆さんの家電選びをお手伝いをします
家電製品アドバイザーとは?
家電アドバイザーは家電製品協会 認定センターが実施している民間資格です。
家電の環境は目まぐるしく進化しています。複雑になり、高機能化している製品の持つ価値や機能を理解し、豊富な知識を保有している事を証明するものになります。
家電製品の販売の現場でもお客様のニーズに合わせて家電製品を的確に提案できる能力を持ち合わせます。またCS、法規の理解もあり、リコールの発生の仕組みや、正しい利用方法や動作原理なども理解しなければなりません。
近年では4K放送、ZEH、IOTなど、先進家電の内容が含まれるほか、家電製品のリサイクル、修理、設定や接続方法と多岐にわたっております。家電製品に広く精通することが必要となります。
要約すると、家電製品のプロの案内ができる信頼できる人と思って良いです。
資格取得にオススメな人
家電製品アドバイザーは家電製品を直接一般消費者に案内する家電量販店にお勤めの方々はもちろんですが、家電メーカー、電機メーカー、派遣社員などで家電量販店に入る販売応援、通信事業者、配送業務、修理業務など、家電製品と関わる仕事をされている方、またはするつもりのある方にオススメです。
家電製品の使い方や選び方、不具合発生時の対処の仕方、リサイクルや廃棄処分の方法なども習得しますので、それらに関わる業務に従事している方は取得を目指しても良いでしょう。
資格は2種類ある
家電製品アドバイザーは大きく分けて2種類あります。
- 生活家電アドバイザー
- AV情報家電アドバイザー
この2種類のアドバイザー資格があります。この両方を合格すると
- 総合家電アドバイザー
と資格が上級グレードに統合されます。
生活家電アドバイザー
主に、エアコン(冷暖房の仕組み)空気清浄機(集塵性能、脱臭性能)冷蔵庫(冷却方式と構造)洗濯機(種類と仕組み、乾燥方式)と、普段の生活に身近な家電製品から、ヒートポンプ式給湯器、太陽光発電システムなども含まれてきます。
AV情報家電アドバイザー
デジタル技術の仕組み、テレビ放送、レコーダー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パソコン、ホームシアター、プリンター、オーディオ、インターネット等、俗に言う黒物家電が多く含まれます。電池やスマートハウスなども含まれます。
どちらの家電製品アドバイザーにもCS 関連法規が必要
消費者保護、製品安全、省エネ環境などの関連法規はどちらの資格も共通で必要になります。受験する際は必ず合格しなければ資格を取得することはできません。
資格取得するために
試験は毎年3月と9月の年2回実施します。過去は大学などの教室で試験監督員立会で試験がありましたが、今はCBT方式となります。全国に試験会場もあり、試験は受けやすくなりました。
まずは受験申請を行いますが、受験実施時期近くにならないと申請ができません。次回は2023年3月になりますので、およそ3ヶ月くらい前に申請が可能になります。
2023年3月資格認定試験: 2023年1月20日(金)10:00 ~2月10日(金)24:00受付終了
2023年3月資格認定試験:2023年3月1日(水)~3月14日(火)
CBTになったことで、期間中の好きな日にちに受験ができることから混雑もなく、希望の受験日に受けやすくなります。
受験資格
家電製品アドバイザー試験は受験資格は特にありません。実務経験も必要ありませんし、誰でも受験することが可能です。
受験料
受験科目 | AV情報家電・生活家電 両資格を受験(3科目) |
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受験料 | 15,600円(税込み) |
受験科目 | AV情報家電・生活家電いずれかを受験(2科目) |
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受験料 | 9,400円(税込み) |
受験科目 | 科目免除により「AV情報家電 商品知識と取扱い」、 「生活家電 商品知識と取扱い」、「CSと関連法規(共通)」 いずれか1科目または2科目のみの受験 |
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受験料 | 1科目 6,200円(税込み) 2科目 12,400円(税込み) |
家電製品アドバイザーは合格科目があると次回の受験にも引き継げます。その際、受験料が部分的に免除になります。試験を受けなかった場合でも払い戻しはありませんので、試験料を納めたら受験を忘れないようにしましょう。
受験の合格基準、難易度、合格率、試験の対策
ここでは実際に難易度、合格率に触れていきます。合格率を高める受験の対策についても言及します。
合格基準
家電製品アドバイザー試験の合格基準は、原則として、全ての科目で「概ね得点率70%以上」となっております。過去、200点満点中、140点で科目合格となりました。
合格率
直近の試験では合格率は生活家電アドバイザー 38.5%、AV情報家電アドバイザー 40.9%となっております。
難易度
合格率は30%後半と合格率は低いように思えますが、難易度は高くありません。事前の対策をしっかり行えば十分に初回での合格が可能となっております。とはいえ、直近の試験は少々難易度が高かったのかもしれません。
事前の勉強が非常に大事です。問題も非常に曖昧な場所を突いてくる感じですので、はっきりと理解せず回答するのは難しいと思います。過去問題集で問題の兆候を掴んでおく事が合格の一番の近道かと思います。
試験の対策
私は試験の対策としては過去問題集を使いました。他にも参考書がありますが、過去問題集が一番役に立ちました。もう少し答えに対する解説が充実していれば言うことはありませんが、まず一冊というところではこの一冊をおすすめします。
問題集と理解を深めるためにそれぞれの参考書もオススメです。応用力が物を言うテストですので、内容を理解しておきたい所です。
CS、関連法規に関してはアドバイザー試験には合格が必須となっていますので、必ず覚えてきましょう。
試験は毎回内容が新しくなっていますが、最新の問題集を全部理解していけば、正答率70%は大丈夫です。さらに上を目指すのであれば他の参考書も併せて揃えてみても良いでしょう。ただし、この参考書は通常の書店には全然置いておらず、通販で購入される事をお勧めします。
試験で何度も落ちてしまっている、という方は、過去問題集をじっくり解いてみて、苦手なところを潰して行けば合格に近づけると思います。頑張ってください!
最後に
近年はネットで顔を合わさずとも商品が購入できる時代になりました。しかし、トラブルがあったりすると最寄りの電気屋さんで相談というのは今後もあると思っています。すなわち店員さんの存在は今後も一定数必要であると考えます。またネットで購入することに不安があったり、その後のサポートの問題、他の商品とも比較のできる店舗の存在は今後も需要があると思います。その中で知識と経験、適切な提案のできる家電製品アドバイザーは需要が今後もあるでしょう。
今後も家電製品は進化していきますし、スマートハウスを筆頭に家電のIT化なども進み、提案が多様化していきます。消費者の視点からは家電製品アドバイザーを持った店員さんと相談できるというのは一種の安心にもつながると思います。
これがあるから、何かができるというわけではありませんが、家電製品を任せられる人ということが強みになります。消費者からは信頼と尊敬の眼差しを頂けるはずです。
今回は家電製品アドバイザー試験についてお届けさせていただきました。家電製品が趣味で資格を取ってみよう、と思った私ですが、全然普通に合格できましたので、趣味レベルでも大丈夫です。家電業界にお勤めの方もスキルアップや、キャリアアップを目指して取得しても良いでしょう。
同じ家電製品協会が実施しているスマートマスターの更新の解説もご参考ください。